「大奄美史」紀行

   奄美大島の史跡を訪ねます。

ガジュマル並木の白浜海岸(白浜)

大島海峡側にある瀬戸内町の集落はほとんどが県道沿いにあるので、何回か通るうちにどの辺にどういう集落があるか大体覚えてしまう。ところがこの白浜集落は珍しく県道から大きくそれたところにあって、わざわざ行こうとしない限り通ることもない。ということで今回は白浜に(わざわざ)行ってみることにした。

県道から海岸方向に分岐して、道路が数キロ続く。途中、ランニングをしている二人連れを見た。人も車も滅多に通らない平坦な長い道路なのでジョギングには最適のようだ。

やがてガジュマルの並木に護られた白浜集落に着く。

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どこからどこまでが1本の木なのかよく分からない。不思議な木である。

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ガジュマルの向こうに民家の屋根が見えている。小さな集落で、無人ではなさそうだがあまり人の気配は感じられない。

 

こちらは浜の風景。

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どことなく雰囲気が諸鈍の長浜に似ている。諸鈍はディゴ並木だから木の種類が違うが。

 

沖に見える2つの岩(1つは小島?)。神様が渡ってきそうな雰囲気はあるが、どんな名前がついているのかは分からない。

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ここは大島海峡の中央付近であるが、岬の向こうに島影が見えないのは、海峡の西の出口の東シナ海まで見通せているということか。

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『大奄美史』の著者昇曙夢は、芝の尋常小学校を卒業した後、篠川の高等小学校(西校)に通っていた。

「学校へは白浜という地区から通学しているが、登下校の折に見た浜辺の風景が、後年、望郷の念ともかみ合って「月の白浜」「緑の松風」という秀れた新民謡を生むことになったという」(『碑のある風景』(籾芳晴))

 

新民謡はどちらも聞いたことがないのでネットで検索してみた。「緑の松風」のほうは不明だが、「月の白浜」は、作詞:昇曙夢、作曲:三界実で、.こんな歌詞である。

月の白浜 アダンの葉かげ
沖の小島に つりぶね一つ
もゆる想いを 三味の音に
  ヨイヨイヨイ  ヨイヤサ
  ヨイヨイヨイ  ヨイヤサ

今宵うれしや いとしの加那と
踊りあかそか 手に手をとって
夜の更けるも 白浜の
  ヨイヨイヨイ  ヨイヤサ
  ヨイヨイヨイ  ヨイヤサ

分かりやすい情緒的な詩で、作者がロシア文学者というような堅いイメージは感じられない。