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「大奄美史」紀行

   奄美大島の史跡を訪ねます。

ウブスナ様とゴンゲン (諸数)

県道のそばにある諸数のミャーには、海を背にして小さな祠が建っている。

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祠とはいうものの、しっかりとした造りのきれいな建物である。消防格納庫に近づきすぎているのがちょっと残念だ。

元は小さなサンゴ石をエビス様として祀っていたが、これを昭和5,6年頃コウエンヤマのゴンゲンに移し、その跡をウブスナ様として祀っているという。
エビスは漁業の神様で七福神として有名だが、奄美ではそれほどポピュラーではないようだ。ウブスナ様というのは産土神のことだろうか。名前の通り産まれた土地に宿って人の一生を守る神様だと言う。こちらも他の集落ではあまり出てこない神様だ。

 

エビス様を移したというゴンゲンに行ってみることにした。

生間方面に向かう小さな岬のところに、県道からの細い登り道がある。鳥居などは建っていないので、よく見ていないと見過ごしそうだ。
かなり急な坂道である。この辺りはスイッチバック状態になっている。f:id:hn2784:20140131130631j:plain

 

なおも登りが続く。倒木などが少しあるものの草などなくて、頻繁に人が行き来しているようだ。

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眼下は大島海峡。ヨットがのんびりと帆を上げている。

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やがて松の木の間を抜けて、広い場所に出る。奥の方の高くなったところに石が建てられているのが見える。これがゴンゲンの神様のようだ。

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土を削って作った5段ほどの階段を登る。

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大きな自然石がメインのようだが、右側にも同じような形状の小さな自然石、さらに右側に丸型の石が3個並んでいる。丸いのは他の集落で見かける力石のようにも見える。


このゴンゲンはカツオ漁の盛んな頃に村人が山を切り拓いて、遠くの方から石を持ってきてゴンゲンとしたという。集落の西側(スリ浜側)のハーサキ(赤崎)にもゴンゲンがあり、旅の神様として祀られていたが、大正7,8年にこのコウエン山に合祀した。ミャーのエビス様は昭和5.6年に合祀している。
※参考『奄美加計呂麻島のノロ祭祀』(松原武実)