「大奄美史」紀行

   奄美大島の史跡を訪ねます。

泉家住宅 (宇宿)

旧笠利町宇宿は奄美空港から名瀬とは反対方向、車で5分もかからないところにある。県道沿いに民家が並んでいて商店や郵便局もある。地名からは宿場が連想されるが、元は「グスク」から「ウシク」に転訛したものだという。近辺に史跡の多い集落でもある。

今回はその中から先ず国指定文化財の泉家住宅を訪ねる。
宇宿郵便局の横から入っていくとすぐ宇宿小学校の校門。

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周囲の塀に創立135周年と書いた幕がある。単純に計算すると「2014-135=1879」で明治12年に当たる。これは相当古い。

 

空き地に車を止めて泉家住宅へ。門柱には表札が架かっている。

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門を入って左側の庭に井戸と高倉がある。

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奥の方右側に住宅。

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庭の手入れをしている人がおられたので、「見学してもいいですか」と聞いたところ、建物を案内して下さった。この方は泉家の何代目かのご当主で、別のところに住んでいるが時々やってきて2,3日滞在し、屋敷を手入れして維持されているとのことである。

 

建物はL字型(別棟型)になっていて、これは中庭からみたところ。

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奥が座敷棟で寄棟造の「おもて」、左側は台所棟で入母屋造の「とぉごら」である。
どちらも明治初期の建物で、屋根は50年くらい前に葺き替えたそうだが、建物の骨組みはそのままだという。

雨戸を開けて「おもて」の内部を見せてもらった。

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由緒ある家らしい雰囲気がある。

 

角の柱は1本柱で、桁が柱を抜く構造になっていて近世末期の手法である。

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板は屋久杉が使われているが、シロアリの被害があるという。

こちらは「おもて」から「とぉぐら」の方を見たところ。

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縁側は元は外側にあったというが、ここは現代風に改造しているようだ。

 

外の高倉。床がかなり大きい。

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ねずみの害を防ぐのが大きな目的だったという。

門のそばにある井戸の中を覗いてみると、結構深く、底の方には水が張っていて今でも使えそうだ。

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泉家住宅が国指定文化財になったのは平成6年。奄美では数少ない19世紀に建築された民家の1つで、「おもて」、「とぉぐら」と高倉が揃って残っている貴重な文化財である。

 

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