読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「大奄美史」紀行

   奄美大島の史跡を訪ねます。

ミャーとイビガナシ(須古茂)

 俵集落の先で県道を離れ、峠を越えて大島海峡の反対側に出る。嘉入という集落を過ぎて海岸沿いに進むと、須子茂集落に入り、中ほどにミャーという広場がある。

加計呂麻島ではほとんどすべての集落にミャーがあるが、島の西部の方により昔の雰囲気が残っている。
ミャーの基本セットは、アシャゲ、トネヤ、土俵(現在はこれに公民館)であるが、このうち1つまたは2つが失われているところが多い。ここ須子茂ではこの基本の3つが揃っているばかりでなく、オプションのイビガナシも残っている。

ミャーにあるアシャゲ。
f:id:hn2784:20131009162055j:plain
かなり現代的な構築物だ

アシャゲは祭祀が行われる場所であるが、柱と屋根だけの簡素な造りで神棚も何もないのが特徴である。

昭和43年撮影と言う写真を見ると茅葺の重々しい姿である。
拙いスケッチであるが、・・

f:id:hn2784:20140308115203j:plain

こういう建物はこのあと急速に姿を消したらしい。今も残っていれば文化財としてすごい価値がありそうだ。

このあと、屋根をトタン?にした平ったい建物になる。

f:id:hn2784:20140308115251j:plain

このタイプのものは今も各集落で見ることが出来る。
その後写真のような近代建築になったようだが、災害には強そうだがかなり趣に欠けるのは否めない。

 

こちらはトネヤ。
f:id:hn2784:20131009162138j:plain
かなり大きく入り口はガラス戸。前には郵便ポストがある。
トネヤは祭祀を行う人の住居だというが、今は人が住んでいるわけではなさそうだ。

これは昭和44年撮影の写真をスケッチしたもの。

f:id:hn2784:20140308122150j:plain

 

アシャゲの隣にはイビガナシという石がある。
f:id:hn2784:20131009162109j:plain
横に案内板がある。

イビガナシ
須子茂には二ヶ所のアシャゲとトネヤがある。
アシャゲの隅に建っている石灰岩の自然石がイビと呼び島立神として集落を守っている神様であり昔は茅葺きのアシャゲが神事の中心でありホボツ山から神が降りてきて人家の中を通りアナタリのアシャゲを歩いて行ったと言う。六十五才以上の女性全員が神人で祭りを行っていた。


イビガナシを漢字で「石神」と書いてあるのを見たことがあるが、感じが出ている。イビガナシは瀬戸内町の集落でいくつか見かけるが、案内板をつけているのはここだけだと思う。

イビガナシのように自然石を信仰の対象にしているものに、ゴンゲンというのがある。ただゴンゲンは岬などの山の上にあるのに対して、イビガナシは集落の中心にある。
またゴンゲンは鳥居や参道など一応神社の形式を備えているが、イビガナシはただ「置いてあるだけ」のようである。


須古茂にはもう1つミャーがある。上のはホンドネでこちらはコドネのアシャゲ。
f:id:hn2784:20131009162314j:plain

トネヤもあるというが、見当たらない。